SENKO ADVANCE RECRUIT

プロジェクト紹介~自動車部品関連事業~Notable Projects

PROJECT STORY...

北アフリカ・モロッコに物流のハブ拠点を設立する。センコーアドバンスのアフリカ進出の第一歩となるプロジェクトに挑む社員たち。
「異境の地」でビジネスを創出した、挑戦の軌跡を紹介する。

「異境の地」でビジネスを広げる、

北アフリカ・モロッコでの新拠点設立。

A&I事業本部 国際営業部 課長

Satoshi Tajima

田島 諭|1997年入社
出身学部学科:英米文学部

A&I事業本部 国際営業部 係長

Kentaro Fujimura

藤村 健太郎|2013年入社
出身学部学科:商学部

モロッコで、最短納期での部品供給を実現せよ

本社国際営業部。センコーアドバンスの海外拠点向け輸出、あるいは海外顧客への直接の製品販売をつかさどる貿易のプロ集団である。責任者は、北米、豪州、欧州、東南アジアと社内でも有数の海外勤務経験を持つ課長の田島諭。ある日、田島のもとに、欧州の拠点であるオランダ事務所から超大型案件が持ち込まれた。
「アフリカのお客様に直接部品を供給できないか?」
オランダからの提案は、顧客の要望を受けて、北アフリカ・モロッコの地に新たな物流のハブ拠点を設立し、モロッコやエジプトへの物流を確立するというもの。その実現に向けオランダ事務所では、すでに北アフリカ域内の顧客への営業活動に着手し、現地調査や倉庫の選定を進めているという。

実はオランダは、田島の古巣である。即座に古い記憶をたどった。その当時のモロッコ向け貨物は、毎月わずかに6箱。地中海を越えたモロッコの地は、田島にとってまさに異境の地であった。そのアフリカに新拠点を築き、物流ハブとして十分に機能させるためには、先ずは日本やASEANで生産された部品を最適な価格で調達し、納期遅れなく供給しなければならない。アフリカ向けでそれを実現することの難しさ、田島には瞬時に想像できた。しかし古巣オランダが顧客からの熱望を受けて取り組もうとしているプロジェクト。センコーアドバンスとして初のアフリカ進出案件にもなる。田島の腹はすぐに決まった。

プロジェクト成功のカギとなる日本側の対応として、仕入先メーカーや物流業者に最大限の協力を仰ぐ必要があった。その役割を担うリーダーとして白羽の矢が立ったのが、国際営業部の藤村健太郎である。田島のもとで長く国際貿易に取り組み、緻密な性格と実務の正確性が社内の信頼を集めている。現在では東南アジア向けの製品輸出や物流業者との折衝などを中核的に切り盛りする存在だ。しかし経験豊富な藤村も、「当時、アジア方面への物流ルート構築の経験はありましたが、アフリカ方面への物流ルート構築は未経験でした。モロッコまでは船便での輸送日程が2か月と長く、さまざまなリスクが想定される。正直『大変な案件を任されてしまった』と思いました。」とふり返る。

このプロジェクトにおいて藤村は、一連の輸出業務や納期調整などを統括するとともに、モロッコ独自のルールやビジネスリスクの把握などにも努めたが、プロジェクトを実現させるにあたって特に苦労した出来事がある。それは、「当初から部品の供給を最短納期でスタートしてほしい」と顧客から依頼を受けたことだ。徐々に納期を縮めていく、という準備期間は許されない。日本からモロッコ倉庫までの最適な物流ルートを構築し、最短で貨物を送り込むための計画を立案することになった。

交渉を成功させ、リスクや問題点を解消する

藤村が取り組んだのは、関係者と定期的に打ち合わせをして様々なリスクや問題点を事細かに洗い出すこと。その上で、物流業者との価格交渉や国内担当者との在庫交渉、部品サプライヤーとの納期交渉などを一つひとつ丁寧に進めていった。しかし時間は待ってくれない。10月からの現地供給開始まで残り4か月。出荷日までの限られた時間の中で、さまざまな交渉を完結させる必要がある。そうした重圧を背負った藤村をサポートしたのは、もちろん直属の上司の田島だ。藤村とともに、仕入先や物流業者に対する価格交渉や納期交渉を行った。
「中国、アジア、オランダと何度も打ち合わせ、苦労して最短で最適な物流ルートを構築する方法を考えました。この案件を成功させることによって今後の多くの案件につながることをアピールし、関係者に何とかご協力いただくことができました。」
藤村が細部を詰める一方、田島はモロッコでのビジネス展開にどのような斬新性や可能性があるかを社内のメンバーに繰り返し説き、多忙な中でも協力を得られるよう、コミュニケーションを重ねていった。

モロッコまでの最短納入ルート構築は、そうした田島や藤村の尽力によって実現した。対象となったアイテムは、実に100品番以上。初回出荷は40フィートコンテナ3本分であった。一連の業務をやり遂げた感想を、藤村はこう語る。
「新境地で大きなビジネスをドライブするという、スケールの大きさを感じることができました。またその一方で、100品番の在庫を集める業務や物流業者との出荷日程の調整など、地道な交渉も必要でした。一つひとつの仕事の積み重ねや関係者の協力があって、大きなビジネスを創出できたのだと思います。自分の地道な経験の積み上げがここで活きたことも、本当にうれしい。」

何十倍も大きな企業を相手にビジネスを創出

モロッコへの部品輸出は、センコーアドバンス初のアフリカ大陸への部品供給だ。またその結果、私たちは顧客のモロッコ工場に対して現地供給する初めての日系サプライヤーになった。
「少数精鋭の社員が集結し、互いに強みを発揮し、弱みを補いながら、大きな案件を成功に導く。今回のプロジェクトは、まさに当社のパイオニア精神が凝縮された取り組みだと思います。」と、田島は振り返る。
顧客の現地工場の近くに保税倉庫を持ち、適正在庫を確保し迅速に提供する。それによってもたらされる効果は、顧客工場のスペース削減や管理費削減、割高な航空便での出荷コスト削減など、とても大きなものだといえる。またその結果、顧客の競争力向上につながることは間違いない。SENKOの得意技ではあるが、これを得意先の期待通り、未経験のアフリカ・モロッコで実現せしめた。

オランダ勤務時に田島が扱っていたわずか月6箱の貨物。それから時を経て、現在国際営業部が取り扱うモロッコ向け貨物は月3,000箱。「ビッグビジネスに大化けした」と言っても過言ではないだろう。
「自社の何十倍も大きな大企業を相手にビジネスを創出し、ビジネスをドライブしていく。その快感が経験を重ねるごとに強くなり、自分自身の原動力になっています。」と田島は言う。日本本社の思いと海外拠点の思いの両方を理解した上で、ハイブリッドな視点でビジネスを展開していきたいと今後の抱負を語る。
私たちの車載ビジネスの次の候補地となっているのが、インドを初めとする新興国。大きな舞台を求めて世界に向き合う彼らの挑戦に終わりはない。

SENKO ADVANCE RECRUIT
STRIDE ACROSS THE WORLD

Copyright © SENKO ADVANCE CO.,LTD. All Rights Reserved.